一路一会鉄道の旅・鉄路一会>土日キップで廻る甲信越と羽前
   土日キップで廻る    
  甲信越と羽前の旅   
 
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 長野自動車道・佐久ICの真下地中を走り抜ける長野新幹線が、佐久平の地上に顔を出したすぐの場所に佐久平駅はある。駅は相対式ホームで稼働柵によって線路と隔てられている。トンネル内で減速を始めた新幹線が、ゆっくりとホームに流れ込んでくる。時刻は13:09。長野着はわずか18分後である。車内は比較的空いていたので、慌てることなく窓際の席に座ることができた。のんびりとしたローカル線に長時間揺られた体に、新幹線の速さは相当に暴力的である。まあ、この後再びローカル線になるので、気分をリセットするには丁度よい時間か。
 
  中仙道と北国街道に挟まれた、蓼科山麓地中を走り抜け、次に地上に顔を出したら真田氏の城下町上田駅。そして新幹線は千曲川の東側山麓地中を走り抜け、長いトンネルを抜けると、ゆっくりと終点長野駅へ入っていく。
 長野駅で待っていた12分後発の信越本線は115系3連編成である。駅弁と2回目のカップ酒を購入して列車に飛び乗る。115系列車はセミクロスシートであるが、クロスシートは中途半端に埋まっているので、仕方なく車両端のロングシートに。13:39列車はゆっくりと長野駅を出発した。
 車窓は長野市街の都市風景。しかも、さすがにこのロングシートで食事をする事には抵抗があので、ここでも昼食は少しおあずけ。おそらく乗客の大半は終点の直江津までは行かず、長野近郊、少なくとも新潟国境を越える手前で降車するだろうと読んだ。



 はたして予想は正解だった。平野部の駅で乗客は徐々に減っていき、飯山線との分岐駅である豊野駅では半分以下になった。そそくさとボックス席に移動。信越本線はしばらく飯山線と併走するが、やがて大きく左に曲がり、次第に高度を上げていく。飯縄高原の東麓を千曲川に流れ込む支流鳥居川沿いに25‰(パーミル)の傾斜で登っていく。昨日今日と降雪は無いが、風景は徐々に雪深くなっていく。車窓から眺める雪景色をおかずに遅い昼食を始めや。野尻湖を周回し、黒姫をすぎると分水嶺の関川を渡り、いよいよ新潟県に入る。
 旅の半分を通過した気分である。旅程の分水嶺とはナイスなタイミングか。

 長野・新潟国境に位置する妙高高原には健康ランドがあり、車の旅では何度か世話になった。大田切川を渡ると日本海へ向けてひたすら急降下が始まる。いよいよ信越本線の醍醐味でもあると勝手に思っている、稀少なスイッチバック駅の二本木駅へ到着。本線を右下に眺めながらホームへは普通に入線していく。が、出発は逆方向にバックする。そして再び進行方向を変えた。結構なカルチャーショックが冷め止まぬうちに列車はゆっくりと右に回りながら日本海をめざして下っていく。
  北国街道の宿場町として栄えた新井駅を過ぎると、もうひたすら平野部である。江戸期は徳川家の譜代親藩松平家高田藩の城下町として栄えた高田、中世の上杉謙信の拠点であった春日山を過ぎると、いよいよ終点の直江津駅に到着した。直江津は歴史の古い港町であると共に北国街道の宿場町として栄え、現在はJR北陸本線と信越本線が接続する交通の要衝である。

 当初の予定では、今回の「土日キップ」でも乗ることができる「北越急行ほくほく線」に乗り、長岡から上越新幹線で新潟入りする予定であったが、予定よりも大幅に時間が押していた為に、今回はそれを見送り、北陸本線・信越本線の特急「北越」で一気に新潟までショートカットする事に決めた。
  直江津駅で信越本線を降りると、向かいのホームには北越急行の各駅停車が泊まっていた。北越急行は信越本線の接続を待って直ぐに発車していった。未練たらしく走り去る列車を眺め終えると、特急が到着するホームに移動した。すぐに新潟行き「北越5号」485系、15:33発が入線してくる。あいにく精悍な顔つきのリニューアル車両ではなく、旧式の485系であった。
 
 
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 「北越5号」はしばらく日本海の波が打ち寄せる海岸線を走り、柿崎、柏崎に停まると、今度は内陸の山間部を抜けて城下町、長岡へ停車。日はほとんど落ちているが、山々の稜線や地平線の風景はかろうじてまだ見える。長岡を出ると、見附・東三条・加茂・新津に停まり、日が完全に落ちた17:19に新潟駅へ到着した。
  今度は17:34発の羽越本線・特急「いなほ9号」に乗る事約1時間、18:27に村上駅に到着した。村上は何度も訪れているが、村上駅周辺は初めてであった。

  今宵は村上の割烹料亭「千渡里」で鮭づくしに舌鼓を打つ予定である。駅から雪の中を20分ほど歩き、やや道に迷いながら「千渡里」に着いた。さっそく鮭料理をいくつか注文。が、なんと冬の季節は村上名物の鮭料理はほとんど無いそうだ。さらに荒れ狂う冬の日本海では漁ができず、この季節の地魚料理もほとんど無いという事であった。板長に予算内でおまかせ料理を頼み、数種類の地酒と共に冬の味覚を堪能した。
 
  時間が来たので店を後にし、再び真っ暗な雪の中を駅まで歩く。丁度新潟までは各駅列車ではなく、快速がジャストタイムで到着した。ホームに入線してきた快速列車の姿を見て驚いた。485系特急列車であることに加え、ベージュとレッドの国鉄カラー。これは明らかにこの後乗る予定の「むーんらいとえちご」そのものでは無いか。
空いた時間を有効活用する特別編成・間合い運転である。特急列車の快適なリクライニングシートに揺られ、新潟駅には22:17に着いた。東京は新宿行きの夜行列車「ムーンライトえちご」の発車23:35発までは、まだまだ1時間以上はある。初めて降り立つ新潟駅前をぶらぶらし、後は駅にあるショッピングモールで時間を潰すが、少し早くホームで酔いをさまして列車をまった。向かいのホームには、JR西日本の583系・夜行急行「きたぐに」が停まっている。雪がちらちらと降りはじめる。

  急行「きたぐに」がゆっくりと新潟駅を出発した後に、ムーンライトえちごが入線してきた。先ほど乗った列車であるが、快適を思ったリクライニングシートも寝て過ごすにはややキツイ。浅い睡眠を繰り返しながら、ようやく深い眠りにつけたかと思うと、列車は池袋に到着した。
  ぼーっとした中で終点の新宿駅に5:10到着。重い体を起こし、冷えた早朝のホームへと降りる。休むことなく中央線の新型E233系通勤列車に乗り換え東京駅をめざした。


Page1■ 土日キップの旅
page2■ 新宿-小淵沢・小海線-長野
Page3■ 信越本線-村上-ムーンライトえちご
page4■ 再び-東京から山形へ
page5■ きらきらうえつ-東京へ
 

 

 

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