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  広瀬
ひろせ
 土蔵だらけの西街道の宿場町
 福井県武生市広瀬町

 構成:伝統様式民家・土蔵 ■ 駐車場:なし
 
 

武生市の南西郊外に広瀬町があります。主要地方道19号線・武生米ノ線は、古来より越前府中(現在の武生)と若狭敦賀を結ぶ、物資輸送の幹線である西街道をほぼ踏襲していますが、途中丸岡町から進路を南にとり、現在の県道206号線で湯谷町を経由して、越前の海の玄関口である河野へ至ります。河野から敦賀は海運で結ばれていました。
西街道には2つの宿駅が設けられ、山間の湯谷とこの広瀬がそれです。
江戸時代に10匹の駅馬が義務付けられ、枝村の馬塚には3軒の茶屋が3軒あったという記録くらいしか残されておらず、やはり宿場町を偲ばせるような家並みは残されていませんでしたが、おそらく当時から半農半商の集落で、一部の許可を得た馬借業者と問屋くらいしか街道業務に関わっていなかったのではないかとすら思います。
しかし、この広瀬町は見る物がまったく無かったかというと、さもあらず。
集落の端から端までとにかく美しい土蔵が多い。それらの多くは長屋門のように、中央に入口を設け、2つ一組のように土蔵を配した様式が特徴。
武生市街と越前海岸を結ぶバイパスが、集落の北側に新たに建設されているため、交通量は少なく、なにか集落の町並み造が行われるのでは無いかという、前向きな予感すら感じます。