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  木屋瀬
こやのせ
 福岡藩の渡海港として栄えた長崎街道と赤間道の追分宿
 福岡県北九州市八幡西区木屋瀬

 構成:商家・町家 ■ 駐車場:あり
 
町並みの南側に残る旧高崎家邸
長崎街道は山陽道の延長である豊前小倉を起点に、日本で唯一外国へ開かれていた長崎を結ぶ道で、蘭学者や西洋の使節、商人をはじめ長崎奉行や九州諸藩の大名が参勤交代で行き来した道です。その長崎街道において筑前国内に置かれた黒崎・木屋瀬(こやのせ)・飯塚・内野・山家(やまえ)・原田(はるだ)の宿場町を筑前六宿と称していました。九州の玄関口である小倉を出発して2つめの宿場町である木屋瀬宿は長崎街道と唐津街道赤間宿を結ぶ脇往還の赤間道(内宿通り)との追分宿でもありました。また、下関や大阪方面へ通じる遠賀川の河港として人や諸産物が集散する陸海交通の要衝として栄えました。

現在北九州東部の中核都市である北九州市の一画に位置するために、伝統的建物の連続性は失われてしまってますが、旧街道筋の数多く残る重厚な豪商の商家が往時の繁栄ぶりを今に伝えています。
木屋瀬の商家や町家建築はバラエティーに富みさまざまな様式が存在するのも、木屋瀬商人の裕福ぶりを物語っているのではないでしょうか?中島橋付近を境に郷土資料館のある宿場の北側通りには生活感のある町家や商家が連なり、南側の通りには白壁の重厚な豪商屋敷が点在する形で残されていました。
木屋瀬は比較的知名度もあり、筑前六宿の中では町並みの景観が整えられ、観光資源として整備されている唯一の宿場町ではないでしょうか?

北側の町並みには生活感のある町並みが残る。
木屋瀬宿最北端部に向かい合う重厚な商家