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  弓削
ゆげ
 下総古河藩の代官所が置かれた津山往来の宿場町
 岡山県久米郡久米南町下弓削 

 構成:商家・町家・酒蔵・土蔵 ■ 駐車場:なし
 
 
国道53号線はかつて岡山と津山を結ぶ津山往来を踏襲する道路で、現在も山陽と山陰を結ぶ主要幹線道路の一つです。この街道沿いには今なおかつての宿場町や在郷町が数多く残り、この弓削もその一つです。中国山地の地名には古代部民に由来する名称が数多く見られますが、この弓削もまたそのひとつ弓削部にちなむといいます。
現在は国道は旧道が通る集落部をバイパスする形で建設された為に、旧道沿いには往時を偲ばせる建物や桝形が今なお残されています。
下弓削は津山往来の宿場町であると共に、下総国古河藩領の飛地1万石を管理する代官所(陣屋)が置かれ、政治・経済の中心地として栄え、数多くの商家が軒を連ねました。下総国古河藩主である土井家は歴代に渡り幕府要職を務めた家柄で、下弓削陣屋は久米南条郡三十ヶ村を統治し、幕末までその繁栄が続きます。
明治以降、下弓削を支えたそれまでの政治体制は崩壊し、鉄道の開通によって交通体系も大きく変わり、宿場町としての役割は終わりますが、弓削と誕生寺には駅が開設され、以後も久米南町の中心市街として人々の往来は続いたようです。
旧街道沿いに今なお残る往時を偲ばせる伝統的な家並みは、いずれも明治以降に建てられたもので、近年まで山陽と山陰を結ぶ要衝であった事を物語っています。
そして現在、訪れた時は人影がほとんど見られませんでしたが、集落の中ごろには小学校もあり、普段はざわめきとのどかな田舎の風景がそこにあるのかも知れません。

 
 
 
久米南町の酒蔵          
清酒 「櫻川」 黒田酒造 岡山県久米郡久米南町下弓削467 08672-8-2351
清酒 「金紋旭鶴」 旭鶴酒造 岡山県久米郡久米南町上神目474-1 08672-2-1212