一路一会古い町並みと集落・山陽>岡山>吹屋銅山
  吹屋銅山
ふきやどうざん
 ベンガラで栄えた銅山の町
 岡山県川上郡成羽町吹屋
 構成:商家・町家・土蔵 ■ 駐車場:観光P
 
 
備中高梁から約25kmほど山中に入った標高550mの地に、ベンガラ(紅殻)と石州瓦による赤褐色の街並みがあります。この吹屋地区は、かって西日本一を誇った銅山と偶然発見された副産物であり赤色の顔料となるベンガラの製造で発展した鉱山町でした。

ベンガラは酸化第二鉄を主成分とする無機赤色顔料の一種で人類が使用した最古の顔料ともいわれています。もともとはインドのベンガル地方で産出された事からその名で呼ばれるようになります。主原料は「ローハ」(緑礬・結晶硫酸鉄)といい、銅鉱脈の近くで産出するので「銅近」ともいいます。

人里離れた山中にありながら、千本格子など町家を思わせる建物が、約300mに渡って続きます。国の重要伝統的建造物保存地区に選定され、街並みは大がかりに修復されているので、きれい過ぎて作られた街並みっぽさも感じますが、街並みに数多く残る重厚な建物によって、そんな感覚はすぐに吹き飛んでしまいます。
まあ、赤褐色の塗料はラッカーでなくベンガラを使っていると信じたい面もありますが・・・。
はるか昔に銅山は閉山し、ベンガラ生産も無くなった今、観光で生計を立てる以外にこの山奥の地に残る理由も無く、いずれ無人の時代村となる事を憂慮しました。
街並みの一画に古い商家を利用した郵便局があります。そして、入口にかかる「吹屋郵便局」の暖簾をくぐると・・・なんと格子戸は自動ドアでした!!明るい局内はいたって近代的な郵便局で、壁の電光掲示板には為替情報が流れている・・・。おそるべき特定郵便局、おそるべき吹屋。

ここから少し離れた地区に、ベンガラで莫大な富を築いた豪商であり、庄屋でもあった巨大な屋敷があります。南に約3kmほど下った山中に城郭を思わせる壮大な石垣をもった広兼邸。金田一耕助の「八つ墓村」のロケ地としても有名です。
もうひとつ、西に約3kmほどの坂本地区にも同じようにベンガラで富を築いた大富豪・西江邸があります。西江家は天領を管理する大庄屋を務め、その陣屋を思わせる巨大な屋敷は代官所も兼ねていました。
いずれも、子孫の方々の賢明な努力によって往時の姿を今に残しているのです。
 
 

中野地区にある広兼邸は「八つ墓村」のロケでも使われた