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  成松
なりまつ
 白壁の家並みが残る街道沿いの半農半商集落
 兵庫県氷上郡氷上町成松 【兵庫県丹波市氷上町成松】

 構成:摂丹型土蔵造り商家 ■ 駐車場:なし
 
 
丹波篠山から北西に延びる国道176号線は古代山陰道の道筋で、近世には播磨・丹波と但馬を結ぶ街道となりました。織田家の小さな陣屋町であった柏原の隣りに、氷上町という小さな町があります。
氷上町の中心部である成松には、丹波地方特有の庇を持った切妻妻入り土蔵造りの商家が軒を連ねる町並みが商店街の一部に残されています。この造りを「摂丹型」といいます。
成松は古くから農業中心の地域でしたが、街道沿いに街村を形成し、やがて物資の集散地として三・八の日に市が開かれるまでに発展していきます。
加古川と支流葛野川の合流点でもある成松は水陸交通の要衝でもあったようですが、町並みをあるくと目立つ意匠を施した商家建築は無く、どこか地味で小規模な建物しかありません。明治期以降には養蚕業で栄えた時期もあったようですが、北は在郷町佐治、東は織田家2万石の陣屋町に挟まれ、定住型の商家も無く、成立時から変わらぬ街道沿いに形成された半農半商の集落のままに終わったようです。
漆喰に塗り込められた伝統的な家々も、一階部分は現在の生活様式に合わせて改修されているものの、建物全体は手入れが行われ、古い町並みを残して行こうという想いが感じられました。