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  小方
おがた
 安芸最北の武家町から山陽道沿いに発達した商家町
 広島県大竹市小方

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 構成:商家・町家・酒蔵・土蔵 ■ 駐車場:なし
 
 
 
広島県最西端の山陽道宿場町である玖波の南に、かつて陸路海路の要衝として栄えた在郷町小方があります。小方は戦国期から町場が形成され、隣接する小方浦は内海航路の要港として賑わっていました。
関ヶ原の戦い後、毛利氏の周防・長門に対する押さえとして広島藩主となった福島正則は、甥の福島伯耆守を国境の地である小方に配し、小方城(通称・亀居城)を築いて守りにあたらせます。小方城時代の小方町には家臣団が駐屯して「家中町」と呼ばれ、村民は町から離れた「卸場」に分けられていました。しかし伯耆守の死後わずか3年で小方城は幕府によって破却されてしまいます。廃城後の小方には再び村民が移り住み町人町が形成されていきました。山陰道と瀬戸内海交通の要衝として急速に発展。多くの商家が軒を連ね、小方湊にも廻船問屋が割拠し諸国廻船で賑わったと言われています。山陽道の宿場町としては隣接する玖波宿があり、小方は正式な宿場ではありませんでしたが、500軒にも及ぶ家並みが続き、問屋や旅籠があるなど玖波宿を凌ぐ規模だった事が伺えます。
山陽自動車道大竹ICの南側、かつて小方城が築かれた亀居公園に沿って旧街道は続いています。山陽地域の大動脈である国道2号線は海側をバイパスしており、その東側に大竹市役所があります。しかし小方にはJRの駅もなく、大竹市の玄関口にして中心繁華街は依然玖波であるため、小方の旧道筋は大きく開発されずに残されたのですが、一方で宅地化が進み、宿場町らしい桝形が見られる他は、伝統的な家並みはほとんど残されていません。小方1丁目の北側に数多く見られる旧家の重厚な建物に対して、くの字に折れ曲がった南側の街道筋には比較的街道筋らしい雰囲気がわずかながら残されていました。


 
 
 
大竹市の酒蔵          
清酒 「宝永鶴」 田熊酒造 広島県大竹市元町1-3-14 082-232-1416
清酒 「喜久娘」 藤高酒造 広島県大竹市木野1-6-23 08275-2-3220
清酒 「勝菊」 豊田酒造 広島県大竹市小方2-3-20 08275-7-7020