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河内
こうち
 明治期に山陽本線の開通によって発展した町
 広島県東広島市河内町中河内【旧・賀茂郡河内町】2005年合併
商家・町家・酒蔵・土蔵  なし  JR山陽本線・河内駅
 
 
三原市の北西約18km、広島市からも22km、瀬戸内海側の山間に位置する河内町は、JR山陰本線の河内駅が町の玄関口。三原市の尾道糸崎港に注ぐ沼田川の上流域で支流の入野川と椋梨川が合流する三角州のような場所に市街地が形成されています。

この河内町は街道の宿場町でも、沼田川の河港町でもなく、町の成立は比較的新しい明治期に入ってからのものなのです。

中世から江戸期を通して農林業を中心とした地域で、町場はありませんでしたが、転機が訪れるのが明治27年、国鉄山陽本線・河内駅の開通によるものです。

賀茂郡北部、世羅郡一帯の玄関口として河内駅前には駅を中心に地元の諸産物や日常雑貨品の集散地として急速に発展していきました。学校や官公庁、金融機関の設置も相次ぎ、この地域における中心市街地が形成されていきます。

大正期には林業者を主な対象とした河内芸妓置屋株式会社という会社も設立。最盛期には30から40名もの芸妓を有するほどに町は賑わいましたが、しかしそれも戦前までしか続きませんでした。

国内農林業の衰退に加え、現在の交通体系、物流体系から完全に取り残され、町の発展に期待された山陽自動車道の河内ICは山を挟み、町の中心から遠く離れた場所に設置。
ゆえに、駅前に立地する中心市街地は、往時のまま時計の針が止まってしまったような、見るからに歴史から取り残された姿で今に残るのでした。

建物は明治中期・大正・昭和初期にかけてのもので、碁盤の目のように区画され、一部は街道に沿って往時の町並みを残しています。そしてこの町の規模からも、最盛期の繁栄ぶりをうかがい知ることができます。
 
 
 
 
 
水野酒造株式会社(現在は廃業)
 
河内の酒蔵          
清酒 「喜久牡丹」 喜久牡丹酒造 広島県賀茂郡河内町下河内153 0824-37-1281