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錦町広瀬

にしきちょう ひろせ

近世に錦川上流で栄えた要衝の町

山口県岩国市錦町広瀬 【旧・玖珂郡錦町2006年合併】

 



岩国市に流れ下る錦川を遡った中流域にある小盆地に錦町の中心街である広瀬の町があります。同じく錦川に沿って走る錦川鉄道の終点でもあり、この旧錦町は山口県で最も標高の高い地域にある町でもあります。古くは広瀬村といったこの町は江戸時代後期には紙漉きで栄え、最盛期には120軒ほどの業者が萩藩の管理のもと大坂方面で販売していました。やがて幕末から明治を迎えると、広瀬を支配していた請紙制度が緩和されると、紙をはじめとする物品が自由に商取引されるようになり、旅館や各種商店が建ち並び町は一層と発展しました。
さらに周辺の山地からこの盆地の町である広瀬には物資が集まり、また陰陽連絡道筋である事もあって、町は大きく発展し、現在とは比較にならない賑わいを見せていたといいます。

戦後、岩国とこの広瀬を結ぶ国鉄岩日線が建設され開通します。この岩日線は岩国からこの広瀬を経由して途中島根県域の六日町を経由して再び山口県の日原駅に至る路線でしたが、自動車交通の発達に伴い赤字廃線路線に指定され、広瀬以北の「岩日北線」はその大半の路盤が完成していたにもかかわらず、建設は凍結されてしまいました。すでに開通していた岩国〜錦町駅間は第三セクターの錦川鉄道として引き継がれます。終点の錦川駅はこの広瀬の町にあり、錦川鉄道の本社でもあります。

現在の錦町は、以前として山口県東部北端の山間部に位置する重要な中心市街であり、町の規模も大きいものの、中心商店街の活気はほとんどありません。それでも以前として高い密度は維持し、さらに”町おこし”として町並み博物館を展開。ふと、訪れて散策してみると、いろいろな発見がある町でありました。













この町の旧家で「金雀」を醸す堀江酒造場周辺の家並み

酒蔵情報

清酒

「金雀」

堀江酒造場

山口県岩国市錦町広瀬6781

0827-72-2527