一路一会古い町並みと集落・山陰>島根>加茂中

加茂中

かもなか

木綿市で栄えた大原郡北端の小さな町

島根県雲南市加茂町加茂中 【旧・大原郡加茂町2004年合併】

 


出雲空港の南約8km。斐伊川の支流赤川が流れる小盆地に白壁商家の家並みが残る町、加茂町加茂中があります。JR加茂中駅は山陰本線宍道駅から2つめの駅で、国道52号線も併走し、近年は松江市と出雲市のベッドタウンとして発展が進んでいます。加茂という地名は、平安末期から加茂別雷社領を中心とした荘園があった事に由来します。


大原郡の北端に位置する加茂村では、江戸時代初期ごろから布塩市と呼ばれる市が立つ在郷町として発展しました。この「布塩市」とは、農家が生産する麻布を売って、塩を初めとする日用品を買うための市で、近郷経済の中心的な役割を担っていました。村の中心である町分は「中村」と呼ばれ、江戸中期以降は木綿と人参が主な産業となり、安永5年(1776)には木綿市が許可されその商取引は京阪神から遠く越後にまで及んだといいます。木綿市に買い付けに来る仲買人の宿泊でも賑わい町は宿場町の様相でした。やがて大東町や宍道町にも木綿市が相次いで林立した事から加茂中村の木綿市は衰退し、さらに明治期以降の近代化と機械化の波が追い打ちをかけ、木綿市を初めとする大原郡の繊維産業は急速にその姿を消していきます。一方、幕末から始まった加茂中の牛馬市は明治まで続きました。


現在、JR加茂中駅の正面には新しい街が造成中ですが、赤川の堤防に沿って古い街区に、伝統的な白壁商家の家並みが残ります。現存しているのは、そのほとんどが街道に面して間口が広い旧家で、幕末から明治にかけて栄えた往時を偲ばせます。








JR木次線の橋梁と旧大原街道(出雲街道)

酒蔵情報

この集落周辺に酒蔵はありません