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  美山
みやま
 京都内陸部に残る近畿最大の茅葺きの里
 京都府北桑田郡美山町北 【京都府南丹市美山町北】2006年合併

 構成:北山型茅葺き民家 ■ 駐車場:観光P
 
 

京都と言えば、千本格子の町家のイメージしか無かった私は、京の奥座敷で衝撃を受けます。初めて茅葺き民家を目のあたりにしたのがここ美山の北集落でした。

京都市の北東約40kmに位置する美山町には、およそ250棟もの茅葺き民家が57の集落に点在しています。その中で最も多く残るのが”北”集落。
平成5年に国の重要伝統的建造物保存地区の指定され、50戸近い茅葺き民家が点在しています。一時は茅葺き屋根がトタンで覆われていた建物も徐々に元に戻されつつあります。

美山の茅葺きは丹波路に多く見られる入母屋造りの「北山型民家」と呼ばれる造りをしています。北山型の茅葺き屋根は形が整っていて美しく、棟覆い、雪割りの造りも丁寧で、破風口の処理もさりげない装飾と機能が合わせ持ち、上品さがあります。
しかし、近年急速に茅葺き屋根の復旧が行われている為に、色や質感が揃い、形が整っているために、あたかも古民家を移築して創られた民俗古民家園を感じてしまいまう面もありました。あと10年もすれば全体的に落ち着いてくると思います。
国や自治体からの多少の補助や整備事業が行われているとはいえ、住民の方の高い意識と努力無くしてこれほどの風景は残せません。
平成12年、北集落で火災が発生し民俗資料館など一部の民家が全焼する残念な事故もありましたが、いつまでも残して行きたい風景の一つです。