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  柘植
かな
 加太越奈良道の宿場町

 三重県阿山郡伊賀町柘植町 【三重県伊賀市柘植町】2004年合併

 構成:商家・かやぶき民家土蔵 ■ 駐車場:なし
 
 


JR関西本線と草津線が分岐する柘植駅。この小さな町はかつて加太越奈良道と呼ばれた街道の宿場町でした。加太越奈良道は東海道の関宿から分かれ、城下町上野を経て奈良へ至る脇往還で、現在の国道25号線(旧道)にほぼ重なります。
国道25号線のバイパスである名阪国道はその建設に至る複雑な経緯から、高速道路に殉じた規格でありながら無料の自動車専用道路として共用されています。道路自体は国道25号線の道路改良の一環としてあくまで一般道路扱いで建設されているため、高速道路の条件を満たす規格に至っておらず、また有料化すると併走する旧道整備の義務が生じるために無料のまま現在に至っています。その為旧道は日本有数の「酷道」であり、未舗装の部分を含め大部分が近世の街道の規格を留めています。
近世の柘植町は上柘植宿と呼ばれ、伊賀・伊勢を領した藤堂家津藩と上野城を結ぶ重要の藩内道でもありました。現在も町の中心には今も桝形が残り、その周辺に伝統的な商家建築やかやぶきの民家など往時を偲ばせる町並みが集まっています。
上柘植宿には本陣や問屋のほか旅籠が20軒ちかくあったと言われていますが、明治23年の関西鉄道開通によりその役割を終えました。
津藩城下と上野城下の往来、藩主の巡検などは主に長野越えとよばれる伊賀街道が利用されていましたが、復路はこの上柘植宿経由の加太越えが行われていました。


 
 
柘植町、東の外れにある街村風景