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  美旗
みはた
 初瀬街道沿いに残る街村風景
 三重県名張市新田

 構成:町家・土蔵・古民家 ■ 駐車場:なし
 
 

美旗という地名は近年の区画造成によって生まれた新しい名称ですが、古くはこの一帯を美濃原・小波田野といい、総称して呼ばれた美濃波田という地名に由来します。
小波田という地名は現在も残されています。旧初瀬街道沿いに形成された街村風景が残る場所の住所は正式には名張市新田といいます。新田という地名はその名の通り、江戸期に藤堂家津藩の開墾政策によって開かれた新田村です。しかし、新田経営は難航を極め、藩は大和と伊勢を結ぶ大動脈の初瀬街道(伊勢街道青越道)を当初の下小波田村からこの新田を経由するルートに付け替えました。村は街道に沿って街村を形成し、旅客相手の旅籠や茶屋を営む半農半商で生計を立てていました。
しかし、明治になると初瀬街道は再びもとの道筋に戻されてしまいます。近年ベッドタウン化が進む美旗ですが、新田地区は純農村地帯であると共に名張市の歴史を物語る史跡として人々の関心を集めているようでもあります。