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  伊勢路
いせじ
 伊勢街道・青越道(初瀬街道)の宿場町
 三重県伊賀市青山町伊勢路
 構成:町家・商家・旅籠建築・茅葺き民家  駐車場:なし
 
 
伊勢路宿は初瀬街道とも呼ばれた伊勢街道青越え道における最大の難所、青山峠を控えた宿場町です。
初瀬街道は奈良の長谷寺を起点に奈良・京方面と伊勢を結ぶ街道で、 江戸中期以降には伊勢神宮へ参詣客で賑わいました。初瀬街道は数ある伊勢街道の一つで、古くから人々の信仰を集めた古刹、奈良県桜井市初瀬にある長谷寺を通る事から初瀬街道とも呼ばれていました。難所を控えたかつての伊勢路宿には20軒近い旅籠や茶屋、酒屋が軒を連ねたといいます。ところで伊勢参りを終えた人々の帰路は、この初瀬街道を通らずに東海道関宿から水口、大津経由で京都へ向かい、伏見から船で淀川を下って大阪へ出ました。伊勢路宿は他の街道と同じく、鉄道の開通や国道の整備により宿場町としての役割を終えました。

現在の伊勢路の街並みは旧道に沿って平入り二階建ての旧商家や旅籠建築が並んでいますが、その多くが一般住宅に改造されています。
有名な観光名所でも無い為、わざわざ景観を意識しての修築までには及ばなかったのでしょう。宿場町の遺構である桝形付近には、常夜灯をはじめ重厚な家々や旅籠建築が建ち並び往時を偲ばせています。