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  美濃伏見
みの ふしみ
 早期の保存対策が望まれる中山道五十次之宿場町
 岐阜県可児郡御嵩町伏見
 構成:商家・町家 駐車場:なし
 
 

中山道御嵩宿から国道21号線を西に美濃加茂市へ向かう途中に、交通量の激しい国道沿いに面して伝統的な町並みが残る場所があります。
この場所は伏見といい、かつてここも中山道の宿場町の一つでした。初期の中山道では、さらにこの先にある可児市土田(どた)地区が木曽川渡しの宿場町でしたが、木曽川水流の変化によって太田宿が新設されたのに伴い、土田宿は廃され新たに伏見宿が設けられました。
伏見宿は本陣1軒、脇本陣1軒、旅籠29軒と規模は小さく、荷物の取扱や宿場の利用も少なかった為に、御嵩宿との合宿として幕府の援助のもとかろうじて宿場を維持していましたが、つねに困窮を極め町場の発展には至らなかったようです。
その状況は今での変わりませんが、寛延3年に宿場を襲った火災からの復興時に拡幅された道筋がそのまま国道となった為に、道の両側に建つ商家群は取り壊されずに済んだようですが、車道が建物の軒下ギリギリにまで迫り、美濃地域と木曽路地域を結ぶ動脈として大型トラックなどがひっきりなしに行き交う非常に劣悪な環境となっています。
この町並がこの先長くない事が確信できてしまいますが、中山道の史跡として今のうちに何らかの手を打つ必要があるのではないかと強く感じます。
国道21号線は、現在の南側を大きく迂回した高規格のバイパスが建設中ですが、その完成により旧道が生活道路となるあかつきには、道路の縮小を含めた景観の保存が望まれます。