一路一会古い町並みと集落・北陸>石川>動橋
  動橋
いぶりはし
 北国街道加賀路の宿場町
 石川県加賀市動橋町

 構成:商家・酒蔵 ■ 駐車場:なし
 
 

加賀市の北東郊外に位置する動橋は「どうはし」でな無く「いぶりはし」と読む難解地名であり、北国街道の宿場町として栄えた歴史を持つ町です。
動橋宿は大聖寺小松のふたつの城下町の間に設けられた宿場町です。古代官道の北陸道は海沿いを通っていましたが、江戸時代に現在の国道8号線をほぼ踏襲する北国街道が整備され、動橋はその宿場町になりました。
地名の「いぶる」とは「ゆする」という意味の加賀地方の方言で、古くは振橋・震橋とも書いたといいます。当時動橋川に架かる橋は一本木だけで、人が渡れば動き、命がけだったという文献が残り、それが地名の由来になったようです。

明治になると鉄道の開通により、全国数多くの宿場町はその役割を失い衰退しましたが、動橋には国鉄北陸本線の動橋駅が開設された後も、温電の名でよばれた温泉電気軌道動橋片山津線・動橋山城線との接続駅、さらに内陸と安宅港を柴山潟・今江潟経由で結ぶ水上交通とのターミナルとしていっそう発展しました。
ちなみに「温電」は第2次大戦時の戦時統制で分離合併して加南線となりましたが、現在は2つの路線共々廃線になっています。

北国街道は豪雪地域ゆえか、かなり短い間隔で沢山の宿場町が整備さえていました
が現在その多くが往時の面影を見事なまでにとどめていません。
動橋には直角に折れ曲がる旧街道筋に今も操業している1件の酒蔵に宿場町の歴史をダブらせると共に、駅前近くにわずかですが、古い家並みが残されていました。
中でも橋本酒造を営む橋本家は、平家の血筋をくむ旧家であり、現在残る主屋を初めとする建物のほとんどが、有形文化財に指定されているそうです。

 
 
 
動橋・加賀市の酒蔵        
清酒 「大日盛」 橋本酒造 石川県加賀市動橋町イ184 07617-4-0602
清酒 「常きげん」 鹿野酒造 石川県加賀市八日市イ6 0761-74-1551