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  三国
みくに
 北前船で栄えた福井藩最大の商港だった町
 福井県坂井郡三国町(神明、山王、北本町) 【福井県坂井市三国町】2006年合併

 構成:商家・土蔵・仕舞家・西洋建築  駐車場:なし
 
北本町四丁目の旧森田銀行本店界隈

景勝・東尋坊と温泉の町として知られる三国は、福井県の西海岸最北端、石川県と接する町で、九頭竜川の河口に位置する三国湊は古くからの良港であり、江戸時代には北前船の寄港地として繁栄し、廻船問屋などの商家や旦那衆をもてなした遊郭が軒を連ね、人や物資で溢れた一大商港でした。
江戸時代の三国湊は福井藩の米や物資の集散地であり、藩の重要な外港として保護されていたのも繁栄のきっかけとなります。その為日本海沿岸最大規模の商港となり、廻船問屋をはじめとする多くの豪商を輩出しました。
ところが、明治に入ると福井藩の廃藩によって藩の後ろ盾を失い、特権に守られていた三国商人達は自由競争の波の中で没落し、産業構造の変化によって三国湊の役割も終わりを迎えます。

三国の街並みは九頭竜川に沿った形で神明町から北本町、南本町にかけて見ることができます。神明町は町家や中小の商家に土蔵、本町には旧遊郭や旅籠建築の他、豪商森田家の屋敷、明治期の赤レンガ造りの西洋建築である旧森田銀行など最盛期の遺構がひっそりと残されていました。
最後に豪商森田家邸は三国独特の商家建築で「カグラ建て」と呼ばれる造りをしています。この特徴は妻入の主屋に平入りの店先を組み合わせた独特の建築様式で、新潟などでは似たような造りに「撞木造り」と呼ばれるものがあります。
この「カグラ建て」の建物は、森田家邸以外にも三国に町並みのいたるところで目にする事ができます。

 
神明町の「かぐら建て」がよく分かる民家
 
神明地区の表通りから一本入った路地にある料亭「魚志楼」
三国の山車はなぜか三国志
本町の森田家住宅