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  今立
いまだて
 最初の紙幣を生み出した高級和紙の里
 福井県今立郡今立町 五箇(大滝・岩本・不老・新在家・定友)【福井県越前市】2005年合併

 構成:商人屋敷・紙漉民家・町屋・商家 ■ 駐車場:観光P
 
粟田部・岡太神社門前の家並み
 

越前和紙の里と知られる今立は、日本で最初の紙幣を生み出した場所であり、それは現在のハイテク時代においても、今立の高度な製紙技術なくしては成り立たないと言われいます。

今立の和紙の歴史は8世紀頃にはすでに始まっていたと言われ、当時から「奉書」と呼ばれる上質紙や「鳥の子」と呼ばれる高級紙を生産していました。

今庄は白山水系の伏流水が流れ出る地形にあたり、その良質な水は紙の生産に適し、また福井は寺社の数が多い為、特に高級紙の需要が高かった事がこの地の技術発展を高めたと言われています。
江戸期には246軒にも及ぶ職人が腕を競い越前和紙の品質に磨きを掛け、福井藩御用紙、幕府御用紙、さらに寺社からの指定紙を受けていました。
そして福井藩によって日本で最初の紙幣が発行されたのも、今庄の製紙技術あってのものであり、昭和15年には大蔵省印刷局の出張所が岩本に設置されました。

和紙の里の中心は「五箇」と呼ばれ、岩本、大滝、定友、不老、新在家の5集落からなります。これらの集落には「紙」で財をなした今立商人の屋敷が残されています。
大滝は戦国期より、紙の独占的販売権を有した紙商人の町で、それ以外の4集落が生産拠点となっていました。さらに五箇集落の北に位置する粟田部は今庄における物資の集散する在郷町として発達した町で、今も町の中心市街となっています。

中心部の南端にある大滝地区、そこに鎮座する岡本大滝神社は今立の紙祖・川上御前を祀る日本で唯一の「紙の神社」と言われています。
和紙作りを支えた良質な水は、当然酒造りにも欠かせないものであり、今立町に唯一残る寿喜娘酒造はこの大滝地区に蔵を構えます。ラベルはもちろん今立の和紙を使用しています。


粟田部の家並み
定友の紙商人屋敷街
定友の裏路地にも屋敷が広がる
岩本の町並み
紙の神様を祀る岡太・大滝神社
不老(おいず)にある紙商人の屋敷蔵
今立の酒蔵          
清酒 「寿喜娘」 寿喜娘酒造 福井県今立郡今立町大滝25-23 0778-42-0023