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  高遠荒町
たかとう あらまち
 杖突街道沿いに残る家並み
 長野県伊那市高遠町藤沢荒町 【旧・上伊那郡高遠町】2006年合併
本務造り民家・土蔵  なし JR飯田線・伊那市駅よりバス・高遠乗換
 
 
荒町は高遠町北部・藤沢川流域の藤沢地区と長藤地区の境付近にある集落で、国道152号線・旧杖突街道沿いに沿って街村を成しています。この荒町付近には幾筋もの支流が藤沢川に流れ込み、増水時には幾度も災害にあった事から、荒町の名が着いたとも言われますが、宿場町ではありませんでした。

しかし、江戸中期ごろから中馬輸送が盛んになると、農間余行として中馬を行う家も増え、中には中馬専業に転身する者も少なく無かったといいます。そんな流れにのって、街道筋に家を集め「新町」(あらまち)を「荒町」と書いたのではないかと推測しましたが、この地域は中世城下町が城主を失い荒廃した町であったという説もあり、定かな事は分かりませ
ん。

杖突街道沿いに残る他の正式な宿場町の多くが切妻平入でいくつかは”せがい造り”の伝統的な山間旅籠建築であり、本務造りの建物を見ないのに対し、この荒町集落は本務造りの主屋と土蔵がセットになった様式が主なものである点が特徴です。また街道の西側の家々は妻面を道路に向けているのに対し、東側の家々は平面を向けているのも特徴でした。