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  伊那早稲田
いな わせだ

 近年まで阿南地域の中心として栄えた遠州街道の宿場町

 長野県下伊那郡阿南町大字西条早稲田
旅籠型古民家・商家・擬洋風建築  なし  JR飯田線・温田駅からバス
 
 
海を持たない内陸の信濃と東海道を結ぶ「塩の道」と呼ばれた主な街道は、飯田街道(三州街道)と遠州街道でした。両街道はそれぞれ別名上街道と下街道とばれ、現在の国道153号線と国道151号線がそれぞれを踏襲しています。両街道は石器時代から続く歴史の古い道でしたが、本格的に整備されるのは戦国期に入ってからの事。甲斐の武田信玄が侵攻路として整備した軍用道路が近世の街道の下地となったのです。

上街道とも呼ばれた飯田街道は藩公認の街道で伝馬機能も備わっていましたが、下街道と呼ばれた遠州街道は公式な道ではなく、宿場町も自然発生的な民間のものでした。しかし関所は置かれていました。

遠州街道が通る阿南町は愛知県と接する長野県南端に位置する、人口5,500人ほどの山間の町です。現在国道151号線は早稲田バイパスで集落の直下を通過してしまいますが、旧道は山の中腹を通り、集落もそれに沿って形成されています。
早稲田宿は江戸期には早稲田古市場と呼ばれており、古くからの市場町でもあったようで、近年まで阿南町成立以前の大下条村の中心地でした。


現在は数戸が連なる小さな集落ですが、商店もあり旧街道筋の面影をわずかですが残していました。