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  金山
かねやま
 街並み景観造りに励む県境の小さな町・羽州街道の宿場町
 山形県最上郡金山町金山
 構成:町家・商家・土蔵・茅葺き長屋門 ■ 駐車場:なし
 
 

明治初期に日本を旅した英国人地理学者イサベラ・ハード女史が「日本奥地紀行」の中で「ロマンチックな町」と紹介した金山。
山形最北端、秋田との県境の町で古くから交通の要衝であり、戦国末期は最上家の家臣・丹氏の城下町として発展しました。三日、七日、十日に定期市が開かれ町場が形成されました。今も通称町名としてその名が残ります。一方「金山」の町名は近接した谷口銀山に由来します。
新庄藩時代に金山城は廃城となりますが、秋田転封になった佐竹氏は参勤交代のルートを秋田藩最南の拠点である湯沢を経由した羽州街道に変更、金山は本陣を構える宿場町として発展していきました。
今も残る樹齢200年を越える金山杉の美林は、藩政時代に殖産されたものです。

金山町では昭和59年から町をあげて街並み景観造り100年運動に取り組んでいます。歴史をうけ継いだ街並みにはじまり、川辺の風景、土蔵の風景などコツコツと少しずつ生活の中から景観を整えていこうという姿勢は、他の多くの町にとっても参考になるモデルケースであります。不要に観光に媚びないノスタルジックな自然な景観造りは、センスの高さも伺えます。
金山には三度訪れていますが、訪れるたびにその変化を感じます。 この先10年、20年後の金山がとても楽しみです。